【集中力がない人へ】意志の弱さは無関係!脳科学で没頭する3つの方法

集中と習慣

はじめに

「もっと長時間集中したい」

「勉強や読書を始めようとしても、すぐにスマホを見てしまう」

そんな悩みはありませんか?

私たちは今、史上最も「集中することが難しい時代」に生きています。ポケットの中にあるスマホを開けば、世界中のエンターテインメントが私たちを誘惑してきます。この環境で、高い集中力を長時間持続させるのは、どんな人にとっても至難の業です。

しかし、少しの工夫で「集中する時間」を自ら作り出すことは可能です。

今回は、私が実際に試して効果を感じた方法を紹介します。「そんなことで変わるのかな?」と不安に思うかもしれませんが、騙されたと思って一度試してみてください。

なぜ私たちは「集中できない」のか?

具体的な方法の前に、そもそもなぜ集中できないのかを少しだけ紐解いてみましょう。

結論から言うと、集中力が続かないのは、あなたの意志が弱いからでも、能力が低いからでもありません。

主な原因は「現代社会の環境」と「人間の脳のスペック」のミスマッチです。人類の進化や脳科学の観点から見ると、理由は主に3つあります。

1. 情報が多すぎて脳が「期待」させられている

私たちは常にネットに繋がっています。次から次へと新しい情報が入ってくると、注意もどんどん移ろいでいきます。特にSNSの通知は強敵です。

私たちがSNSについ手を伸ばしてしまうのは、脳が「期待(ドーパミン)」を感じるからです。

ショート動画などは「一瞬の面白い」への期待で、つい何度もスワイプしてしまいます。「もしかしたら自分が得する情報かもしれない」「次はもっと面白いものが見られるかもしれない」。そんな期待で脳が興奮している状態では、目の前の地味な作業に集中なんてできません。

情報過多によって、脳は何にリソースを割くべきか混乱しているのです。

2. 人は本能的に「集中することが苦手」

意外かもしれませんが、そもそも人類は長時間1つのことに集中するのが苦手な生き物です。

その理由は「狩猟採集時代」にさかのぼると理解できます。

太古の昔、森の中は危険がいっぱいでした。もし何かに集中しすぎて周囲への警戒を怠ると、肉食動物に襲われてしまいます。逆に、常にキョロキョロと注意散漫だった個体の方が、いち早く敵に気づいて生き残ることができました。

つまり、「集中しない(散漫な)人」が自然淘汰を生き残り、その子孫である今の我々も、遺伝的に集中することが難しいようにできているのです。

3. 脳は基本的に「楽」をしたい

誰もわざわざ面倒なことはしたくないですよね? 実は脳も同じです。脳は非常にエネルギーを食う臓器なので、できるだけ省エネで稼働しようとします。

残念ながら、「集中すること」は脳にとって「高カロリーで面倒なタスク」です。一方で、SNSのような受動的なコンテンツは、指一本でスクロールするだけで「楽しさ」という報酬が得られます。

「快楽を得るなら、楽なほうがいい」。

脳は合理的にそう判断し、安易なほうへと流れてしまうのです。

脳をハックする3つの実践方法

ここまででお分かりの通り、意志の力だけで本能に抗うのは困難です。「気合い」ではなく「環境」を変えることで対策しましょう。

私が実際に研究や勉強に取り入れて効果があった、3つの方法を紹介します。

① 集中時間を決めてタイマーをかける

集中力は無限リソースではありません。まずは時間を区切り、リズムを作ることが大切です。

私の場合は、卒業研究の実験を始めると、つい過集中して何時間もぶっ通しで作業してしまうことがありました。しかし、これだと後半に疲れがどっと出て、ミスが増えてしまうのです。これでは本末転倒ですよね。

そこでおすすめなのが、時間を区切って強制的に休憩を入れる方法です。

有名なのは「ポモドーロ・テクニック(25分集中/5分休憩)」ですが、これには個人差があります。

私は「25分だと短すぎて乗れない」と感じたので、いろいろ試した結果、現在は以下のサイクルに落ち着きました。

  • 集中50分/休憩10分

これを2~3サイクル回したら、1時間以上の長めの休憩を入れます。皆さんも、自分にとって心地よいリズムを探ってみてください。

② ネットの接続を物理的に断つ

これが現代において最も難しく、かつ最も効果的な方法です。

理想は「スマホの電源を切って別の部屋に置く」ことですが、ハードルが高い場合は「機内モードにする」ことから始めてみてください。これだけでも通知が来なくなり、驚くほど集中しやすくなります。

「使用制限アプリ」なども試しましたが、私の場合は管理設定自体が面倒で続きませんでした…。結局、シンプルに「電源を切って、視界に入らない場所に置く」という物理的な遮断が最強です。

PC作業中も、その時間だけはすべての通知をオフにするのが鉄則です。

③ 耳栓やノイズキャンセリングイヤホンを使う

視覚だけでなく、聴覚情報のコントロールも重要です。

「多少うるさくても平気」と思っていても、脳は無意識に雑音を処理しようとしてリソースを使っています。これが隠れた疲労の原因になります。

耳栓やノイズキャンセリング機能を使って、「無駄な情報」を脳に入れないようにしましょう。

もし音楽を聴くなら、「歌詞のない音楽」を選んでください。

歌詞(言葉)が入ってくると、脳の言語野が反応してしまい、読書や思考の効率を著しく落とします。無音が苦手な人は、雨音や川のせせらぎなどの「自然音」がおすすめです。

今日のまとめ

今回は、脳科学的な観点から集中できない理由と、その対策を紹介しました。

  1. 自分に合った時間でタイマーをかける(例:50分+10分)
  2. ネット接続を断つ(機内モード・物理的に離す)
  3. 聴覚情報を遮断する(ノイキャン・歌詞なしBGM)

これらはあくまで私の実践例です。

重要なのは、自分の意志の弱さを責めるのではなく、「仕組み」で解決しようとする姿勢です。

「これならできそう」と思うものから取り入れ、皆さんなりにアレンジして、自分だけの没頭できる環境を作ってみてください。

参考書籍

  • 『SINGLE TASK 一点集中術』 デボラ・ザック(著), ダイヤモンド社
  • 『スマホ脳』 アンデッシュ・ハンセン(著), 新潮新書
  • 『最高の体調』 鈴木裕(著), クロスメディア・パブリッシング

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